時が止まった地中海のリゾート|キプロスのゴーストタウンを歩く

2025年4月15日

分断された島で、止まった時間に出会う旅

キプロスの夏は、地中海らしい明るさに満ちている。
でも、この日足を踏み入れた町には、ちょっと異なる空気が漂っていた。

建物はある。でも、誰も住んでいない。
ガラス張りのショーウィンドウは割れたまま。
時が止まったかのようなこのエリアは、「ヴァロシャ(Varosha)」と呼ばれるゴーストタウンだ。

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分断された島、キプロスの現在地

キプロスは、いまも南と北に分かれて存在している国。
南は「キプロス共和国」としてEUにも加盟している一方、北は「北キプロス・トルコ共和国」。
しかしこの“北キプロス”は、トルコ以外に国家としては認められていない。

その境界線が、現在も首都ニコシアの真ん中を分断している

このゴーストタウン・ヴァロシャは、かつては高級リゾート地だった。
1974年、キプロス紛争の混乱の中で突然人々が去り、それ以降、誰ひとりとして戻ることを許されていない

壊れかけたTOYOTAの看板。
錆びた鉄格子。
でも、その下には普通のプラスチックチェアが置かれていて、人の気配をかすかに感じる。

観光客の立ち入りは制限されていて、公開された一部エリアのみ歩くことができる。
でも、その“静かすぎる散策”が、かえって旅の印象を強くしてくれる。

無人のリゾート地を歩いて

建物の作りや、看板のフォント、シャッターの重み。
どれも1970年代で時が止まったまま。

私は、この日、足音と自転車のブレーキ音だけが響く道をゆっくり歩いた。

太陽は眩しいほどに明るいのに、どこか「静けさ」が、全体を包んでいる。

知ることで、旅は深くなる

美しいビーチや、陽気な街歩きも旅の楽しみのひとつ。
でも、こうして過去の傷跡と向き合う時間も、旅を「記憶」にしてくれる大切な要素だと思う。

もしキプロスに行く機会があるなら、ヴァロシャまで足を延ばしてみてほしい。
歴史や背景をほんの少し知ったうえで歩くと、その景色の見え方はまったく違ってくるはずだから。

旅のヒントと持ち物アドバイス

バッテリー長持ちのスマホ or モバイルバッテリー:立ち入り区域が広いので、オフラインマップの使用頻度が高め。
おすすめはこの、モバイルバッテリー 軽量 小型

軽量デイバッグ:長く歩くので、荷物はコンパクトが理想。

海外旅行でインターネット:キプロスはエリアによって電波環境が異なるので、グローバルWiFiを借りたりeSIMを活用すると安心です。私は楽天モバイルを海外生活する上で契約しています。(SMSも受信でき、海外で2GBまで無料なので)

キプロスをもっと知りたくなったら…

旅先で見た「忘れ去られた町」。
そこには人の姿はないけれど、人間の歴史が、確かに刻まれていた。

キプロスの主要都市からヴァロシャ(Varosha)へのアクセス方法

ルート1:ニコシア(レフコシャ)からバスでアクセス

​キプロスの首都ニコシアからヴァロシャへは、公共交通機関を利用して比較的容易にアクセスできます。​

  1. レドラストリートの国境を越える: ニコシア中心部のレドラストリートにある歩行者用の国境検問所を通過します。
  2. 北ニコシアのバス停へ移動: 国境を越えた後、観光案内所で地図を入手し、ファマグスタ行きのバス停まで徒歩で数分移動します。
  3. ファマグスタ行きのバスに乗車: Itimat社が運行するドルムシュ(ミニバス)に乗車します。料金は片道約50トルコリラ(約2ユーロ)で、所要時間は約1時間です。
  4. ファマグスタ到着後、ヴァロシャへ: ファマグスタの中心部に到着後、ヴァロシャまでは徒歩でアクセス可能です。

注意点

  • バスの時刻表は公開されていない場合があるため、現地で確認することをおすすめします。
  • 国境通過時にはパスポートの提示が必要です。

ルート2:ラルナカからレンタカーでアクセス

ラルナカ空港からレンタカーを利用して、ヴァロシャへ直接アクセスする方法です。​

  1. ラルナカ空港でレンタカーを借りる: 空港内のレンタカー会社で車を借ります。事前予約をしておくとスムーズです。
  2. ニコシアを経由して北キプロスへ: ニコシアを経由し、レドラストリートの国境検問所を通過して北キプロスへ入ります。
  3. ファマグスタ方面へドライブ: 北キプロス側の道路を利用して、ファマグスタ方面へ向かいます。所要時間は約1時間です。
  4. ヴァロシャに到着: ファマグスタ市内に入り、ヴァロシャ地区へアクセスします。

注意点

  • レンタカーで国境を越える場合、保険の適用範囲を事前に確認してください。
  • 北キプロス側の道路標識はトルコ語表記が多いため、ナビゲーションシステムの利用をおすすめします。

私は、2の方法で行きました。保険を国境を越える時に支払う必要があるので、現金を持っておくと便利!カードは確かNGで、私はポンドしか持っていませんでしたが、ユーロと同じレートでもいいならとポンドでもOKでした。

地中海の楽園、そんな言葉の裏側にある、知られざる一面。
少しでも感じてもらえたら嬉しいです。私は帰国後、ヴァロシャのドキュメンタリーやキプロス分断の歴史について、もっと調べたくなった。
U-NEXTなどの配信サービスでは、キプロスや地中海戦争をテーマにした番組もあるので、興味がある方はチェックしてみてもいいかも。

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